2014年6月11日水曜日

青いイルカと泳いだ日・ワイキキ湾


初めてオアフ島に旅行したのは二十代の半ば。

勤めていたデザイン会社がクライアントとの付き合いで社員二人をツアーに行かせることになり、私と同僚の二人で出かけました。

その頃はハワイは沢山の島があることなど知らず、オアフ島やマウイ島という名前さえもチンプンカンプンで、 ワイキキとアラモアナの違いもわっていない人でした。

この最初のハワイ旅行は3泊5日の珍道中で、初日は時差ボケ。

宿泊したのは改装前のアラモアナホテル。

当時のエントランスはモアナサーフライダーのように巨大な白いコラムが立並んでいる壮麗な外観だったのです。

チェックインを済ませ、時差ぼけで昼寝をしたら夕方まで寝ていたという有様で、ちょっと損した感じでした。

日が暮れてからホテル前のアラモアナパークへ散歩に出かけたのですが、薄暗い夜の公園で開放感を味わうどころか、薄暗さに負けて園内を一周することもなく、まだ小さかったアラモアナSCに引き返して少しだけ見て回って英語の雑誌やら映画のポスターを買って終了です。

 翌日は早朝から三島巡りの強行ツアーに出かけ戻ってきた頃には疲れ果てという有様。

たった一日でハワイ島、マウイ島、カウアイ島へとジャンプする強行軍で、行った島の順番も、観光した場所の名前も覚えていない・・・。

その時は「どうせ二度と来ないだろうから」という考えで決めたのですが、まさか後に移住するなどとは想像もしていませんでした。

ワイキキの広告を手掛けるようになってから、一日で三島巡りのツアーというのはカナリの強行軍で、老齢の方や、体力が無く、心臓に欠陥のある参加者がよく倒れたり、心臓マヒで無くなってしまうことも多々あるのだと知りました。

三日目は昼前に「ワイキキまで行ってみよう」と地理感も無いのにマップも持たず歩いて出かけてしまいました。

そしてワイキキの入り口付近に辿り着いた頃には、あまりの暑さに疲れ果てた状態で、随分と前に取り壊しになってしまったクヒオ映画館の近くで降参。

その頃は世界的に名の知れたゲイバーであるフラズの存在や、当時のゲイエリアのことなど知りませんでした。

そして後に判明したのですが、途中で休憩した場所は、元フラズの入り口で、その一帯がゲイな区域だったのです。

知らなかったとは言え、最初のハワイ旅行からゲイバーの玄関に辿り着いていたことを知った時は感慨深いものがありました。

この初ハワイの記憶の中で最も強烈に残ってしまったのが、ガイドブックに書いてあった注意事項です。

「ワイキキ沖100メートルにはサメがいるので、あまり遠くへ泳いでいかないように」  

これさえ読まなければ、せっかく綺麗な青い海に行くのだから、ちょっと遠くまで遠泳してみようかと思えたでしょう。

ワイキキ→サメが泳いでいる怖い海。

映画のジョーズに登場する巨大人食いザメなイメージが、ワイキキの海も含めて、ワイキキそのものに対する興味を失わせたのです。

今から考えたら馬鹿な話しというか鮫がウヨウヨと泳いで人を襲うビーチなどあり得ないわけですから、本当に無知だったとしかいえない笑い話です。




実際にワイキキ湾へ泳いでいくようになって沖合100メートルどころか数キロ先まで遠泳したことも数えきれないほどあります。

しかし湾内でサメに出会った経験は一度もない。

そしてワイキキでサメに襲われたという話題も聞いたことはありません。

ガイドブックの嘘つき! 




サメに関することに興味を持ったのは、ハワイアンでハワイ語と歴史の名誉教授と働くようになってからです。

「サメは頭が良いので、海が澄んでいる時は無闇矢鱈に見慣れない生き物を襲ったりしないものよ。見慣れた生き物を襲うのが普通で、海の中の視界が悪いと間違って襲うこともあるけれど、それでも毎日のように誰かがサメに襲われているわけではないわ」

と教えられました。

ワイキキ湾の中で遭遇したのは、バラクーダ、ウミガメ、エイ、アナゴ、クラゲ、そして様々な種類の熱帯魚とイルカさまです。

一度だけ リーフの中 でサメの一種と遭遇したことがありますが、小型のリーフシャークで、襲われるどころかサメの方が先に驚いて瞬時に身体をグニャリと曲げて方向転換し、瞬く間に泳ぎさっていきました。

サメが軟体動物だと知ったのはこの時です。

あの身体のネジ曲がり方には仰天しました。

ワイキキ湾の中でサメより怖いのは巨大な波です。

クイーンズサーフ沖は波が珊瑚礁にぶつかってブレイクするポイントで、ここを泳いでいる時に大波がやってきてしまい、巻き込まれて岩礁に打つかって身体中傷だらけになるか、下手したら死ぬのではないかとエラク怖い思いをしました。



海を甘くみてはいけないというのは、波の力のことです。

その次に怖かったのは海の中が真っ白で視界が極端に悪い時に、巨大なウミガメ二匹が突然目の前に現れた時です。

荒れている海の中で物凄い速度で回転する姿を目の前で見た時はビックリ仰天どころかビビリあげてしまいました。

しかも交尾をしていたのです! 

ウミガメは普通そんなに速く泳がないのですが、この時は驚きの猛スピード+アクロバットだったので、それを機にウミガメをみる時の視点は大きく変わりました。

あの方々の泳ぎはゆっくりで優雅にみえることが殆どですが、本気になったら超高速です。

他にも遠くから見ると岩のように見えたのに、いざ近づいたら動いていることに気づき・・・

実は巨大なウミガメの甲羅でビックリ仰天した経験もあります。

ワイキキ湾の美しさはビーチからの眺めだけでも美しいですが、青い海原の広がる沖合まで泳いでいって、波に大きく揺られながら眺めるワイキキやダイヤモンドヘッドの風景は、また違った美しさと輝きを放っています。




水泳を本格的にやってないとそんなに遠くまで泳いでいく自信のない方がほとんどでしょうし、中には泳げない方もいらっしゃるでしょう。

その場合はワイキキビーチの各所から出航しているカタマランのクルーズをお勧めします。



こちらは基本的にクルーズなので、途中でスノーケルを楽しめるアクティビティではありません。

ビーチから出発してダイヤモンドヘッドの沖合までクルーズして帰ってくるのですが、水着で乗船して先頭に陣取れば、スピードを上げて進んで行く中でバシャバシャと返り水を浴びて充分に楽しめるし、美しいワイキキ冲の風景も存分に楽しめる。

そして泳ぎではまず無理な写真撮影もできるのでお勧めです。

ワイキキ出航のカタマランクルーズでイルカとの遭遇率が高いのは午前中の便。




夕方のサンセットクルーズは昼間よりも料金が高いですが、アルコールもOKなので、カルテルを片手に太平洋に沈んでいく夕陽を観ながらクルーズという豪華さを味わえます。


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