アロハ
いま続いているのは小説「ブルー・ドルフィン」のコンパニオン本でピクチャーBOOK「青いイルカと泳いだ日」の中からの抜粋です☆性転換に関するインターVIEW
そこで私は友人となったトランスジェンダーに電話をかけ、社交の場では持ち出されることがなかった、性転換に関する話しを聴かせて欲しいと頼みました。
私たちはワイキキの外れにあったドーナツ屋で落ち合い、カジュアルな感じで話し始め、気がついたら興味本位なレベルを満足させる的な角度を遥かに超え、かなり掘り下げて聞いてしまいました。
それまで性転換までの行程など全く知らなければ、どれだけ長くかかるものなのか皆目検討もついてなかったわけです。
おおまかなステップの行程を聞き終えた時の正直な感想は〝そ・・・そんなに大変なのですか・・・?〟でした。
今の自分に欠けている姿になりたいと切望するのは理解しやすいと思います。
例えば、男性として男っぽく逞しくなりたい、格好よくみられたい、女性として女性らしく美しくなりたい、理想的な母親、父親になりたいと思うのは共感しやすいでしょう。
トランスジェンダーの場合は、それよりも遥かに強い、肉体まで改造したいという魂レベルでの切実な願いがあるということです。
実際に自分の目の前に性転換を成した人が座っていて、そのことを話してくれた内容は、驚きというよりも、衝撃的でした。
当時の彼女は女性ホルモン投与の真っただ中で、副作用で精神的にも肉体的にもかなり辛い状況に置かれていました。
そして、性を転換するという経験を乗り越えようとしている人の語る真実は、私の憶測を遥かに超えたもの、想像を絶する世界だったのです。
友人は一人の人間として、自分が願っていた理想の姿になるために手術を決断しました。
自分を完全な女性として思えるように、性転換を決心したのです。
言い換えれば、性転換することによって自分を完全に女性として感じられると思ったという捉え方もできます。
それでも随分と長く迷ったと話してくれました。彼女の場合は強い衝動から手術を決めたのではなく、理性的に決断したケースです。
目標は女性の身体に変容することですが、そこで楽観視はせず、賢くリサーチして、様々な角度で性転換というものが作り出す〝副作用〟を調べたのです。
その中には精神的な副作用と肉体的な副作用があり、考え無しに決断してしまうと結果的に〝死〟へ向かってしまう場合も多々あるからです。
話の内容は私の想像を遥かに超えた内容で、単純に想像してみた時に〝自分だったら絶対に決められないだろう〟と明確に思いました。
事故や病気が原因で大掛かりな外科手術を受ける場合は選択肢がありません。
しかし病気や事故が原因でなく整形手術する場合は自分の明確な意志による決断です。
整形手術のドキュメンタリーを何本も観ましたが〝想像を超えた痛さだろうな・・・痛いの嫌だな・・・そこまでして改造したい気持ちって強烈・・・〟としか言いようがないものです。
目的がどうであれ、肉体を改造するには想像し難い苦痛・激痛を乗り越えなければいけません。
そして手術が済んだら昔の身体には戻るのは不可能です。
性転換に関するドキュメントを観た時に辛烈に心に残ったことがありました。
それは男性から女性へ性転換した人たちの自殺率の高さです。
女性の身体になったのはよいけれど、元々男に生まれているので精神的におかしくなってしまうケースが多いと解説されていました。
インタビューした友人もちょうどホルモン投与の真っただ中で、精神的にかなり辛そうな感じでした。
ホルモンバランスの変化は更年期障害にみられるように、精神的なバランスに大きな影響を与えます。
性的な欲求が通常よりも高まるくらいならまだ楽しいかも知れませんが、誰を見ても発情してしまったり、理由もなく落ち込んで悲しくなったり、 鬱に入ったり、 苛々して怒りやすくなり、理由もなく攻撃的になったりするものです。
男性の場合でもテスタストロン投与をすると、ムラムラして性欲が湧く、身体が細かく振動する緊張状態が続く、吐き気や目眩い、頭痛に苛まれるなど様々な副作用が現れる可能性があります。
外科手術による肉体改装は痛みを伴うものですが、ホルモン治療も壮絶な戦いなのです。
性転換の場合はそれらの難関を乗り越えても叶えたいという強い願望がなければ、そうそう簡単には決められないはず。
何年もかかれば医療保険なしでは巨額な金額も流れていく。
そこまでして女性または男性になりたいという気持ちの強さは、願望を超えた渇望なのだとわかるようになりました。
この想像を遥かに超えた性転換の世界は、生まれ持ったままの肉体に疑いを持ったことのない普通の人には理解が難しいものには違いないでしょう。
その長い行程も試練もさることながら、最も心を動かされたのは自分が本当に求めている姿になるための〝勇気〟です。
彼女とのインタビューが終わった時には、目の前に座っている友人は、男とか女という性別を超えた、別次元の〝知性〟を持っている存在のように感じられました。
会話の最後に「自分で自分のことをどう思っている? 男なのか、女なのか、それとも全く新しい別な存在なのか?」と聴いたのです。
彼女の答えは「新しい別の存在というのが最も近い」と言っていました。
もともと男性女性の二種類しか基本的に存在しません。
しかし性転換という行程の中で、一般的な性別を超える新しい性、または新しい生の形が生まれるのでしょう。
そしてこの時点から、頭の中にあった小説という仮想現実は、とても曖昧な想像の世界から、現実的な部分を含めた本格的な創造のプロセスへ動き始めたのです。
そして主人公のうちの一人、COCOを登場させた瞬間から、それまで曖昧だった筋書きは明確になりはじめ、小説を書くというドライブのギアが入ったのです。
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