2014年6月9日月曜日

青いイルカと泳いだ日・初めての長編小説


「ブルードルフィン」は初の小説で、しかも長編です。

アイデアが浮かんだのは1999年くらいでした。

それが実際に書籍として出版される動きが決まったのは約12年の歳月が経ってからです。

つたない英語で書いたものを日本語に翻訳し始めたのは2005年くらいの頃です。

先にも書きましたが、当時は極度の疲れ、不眠症、食欲不振に加えて鬱やパニックアタック、焦燥感などの酷い精神的な副作用の中で生活していたので、なにかにすがる必要がありました。

自分で書いた英語を日本語に翻訳するという作業はある意味その時の命綱だったのです。

英語から日本語への翻訳の下書きを終わらせるのに約半年を費やしました。

日本語は母国語ですから最初は難度低しと思ったのですが、まず基本設定として、頭痛やら疲れやら不眠症やらで頭が明確に働かない・・・。

そして実際に翻訳を進めていく中で気づいたのは、日本語の質が極端に落ちていることでした。

当時は家も職場も英語主体だったので日本語の使用頻度が低かったのです。

日本語で話すことに然程の問題はありませんでしたが、 部分的に英語が交じってしまうのが普通で、すでに手書きで日本語を書くことすらままならない状態でした。

漢字は難なく読めるけれど、漢字を書こうとしても思い出せないし、昔のようにちゃんと綺麗に書けないのです。

そんな感じだったので早々から小説として通用する文章を書くという壁にぶつかりました。

最初から最後までスラスラと日本語が流れてくることはなく、至る所で言葉の壁に打ち当たる……。

英語には日本語にない表現や、置き換えにくい言葉などが沢山あり、 英語の表現を日本語に置き換えるのがいかに難しいかを思い知らされました。

そんな感じだったので翻訳の作業も何度も諦めかけたのですが、完全に放り出して忘れてしまうこともできず、翻訳の完成度は脇に置いて、とりあえず最後まで訳してしまおうと頑張ったのです。

なんとか頑張って日本語版の初稿を終えたわけですが、自分の日本語の稚筆さにめげてしまい、それからどうすれば日本語的に改善することが可能なのか検討がつかず、そのまま数年くらい放っておきました。

その頃に「聖なるハワイイ:ハワイアンのスピリチュアリティー」と「スピリチュアルに楽しむオアフ島:史跡・伝説とパワースポット」の出版の話しが持ち込まれ、小説はホボ完全に脇に置かれてしまいました。




その数年後に1991年に書いたペルーの旅行記「聖なる谷:空中都市マチュピチュを超えて」が出版され、次に取りかかったのが「Hawaii de 花散歩」です。 




その間にも英語版の修正+加筆を行ったり、日本語を英語版に合わせて書き加えたりしていましたが、本気で取り組んで可能な限り速く終わらせようとは思わなかったのです。

英語版の修正は元英語教師の友人に頼んで修正してもらいました。

この時期にはそれまで重たかった頭も晴れ気味が多くなり、鬱状態も消え始め、脳そのものが普通に回転する比率が増えていました。

それと同時に日本語版にも修正を入れ始め、以前よりも日本語版のクォリティーを向上させようと思い、それまで荒削り状態だった日本語を丁寧に直し始めました。

とにかく長い作品なので、最初から最後まで一気に直してしまうことが難しい。

しかも読み返しながら直していると、新しい言葉が浮かんできたりするので書き足したりし始めました。

途中で話しの中に入り過ぎてしまってスンナリ抜け出ることができないことも多く、そこに引っかかってしまうとなかなか前に進まないという困難さも多々ありました。

それから私が小説を手掛けているこを知った出版社の田島社長から、興味があるので読ませて欲しいと連絡があり、まだ完全に仕上がってない日本語版の原稿を送りました。

ありがたいことに「とても良かったです。出版しましょう」と返事を頂いたのですが、その時点での仕上がりに満足がいってなかった私は「もう少し時間をください」と先延ばしにしてしまいました。

主な理由は、文章がまだ完成の域に達してないとわかっていたし、十年以上も抱えていた作品をエイやっと手放す心の準備がなったからです。

それからさらに数年がたち、2013年の夏にシアトルに滞在していた時に、なぜかフト「小説を終わらせよう」と思い立ち、最終の仕上げに取りかかりました。

ハワイが舞台の話しを書き始めて、ハワイで執筆が終わるのではなく、ほぼ満足に近いものが完成したのはシアトルだったのです。

それから最終の文字校正が始まり、語尾をなおしたり、編集側の意見を取り入れてマイナーな修正をおこない、話しの筋に関係しないと思われる箇所をバッサリと省いて脱稿しました。

それから出版へ向けての準備が始まり、最後の校正を終えたのもハワイではなくシアトルでした。

年数的に足掛け約15年という、とても長い年月を得てようやく完成した初の長編小説ですが、この作品には自分でも不思議に思ったり、読んだ人たちから不思議 な体験をしたと言われたことが沢山あったので、これから小説の背景や、関係する不思議体験などを書いてみたいと思います。



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