2014年6月27日金曜日

青いイルカと泳いだ日・ココ・デ・ラムール

アロハ

いま続いているのは小説「ブルー・ドルフィン」のコンパニオン本でピクチャーBOOK「青いイルカと泳いだ日」の中からの抜粋です☆



ココ・デ・ラムール
 

泳ぐだけの脚本もどきから小説への移行の大きな切っ掛けになったのがCOCOでした。
 

まだ完全な小説の形にもなっていない冒頭の場面で、男二人が出会う場面を書いていて、そこにCOCOを登場させたら、そこから思いがけない展開へ向けて進み始めたのです。

ビーチのシーンでジムがハナレイを発見し、COCOに聞く場面です。

彼女をジムの連れとしてビーチに座らせた瞬間から一気に全てが変わってしまいました。

何の気無しに登場させたCOCOが私の頭の中で話しだしたのです。

それから頭の中に明確なシーンが浮かんでくると同時に、わたしが全く予想してなかった展開で彼女が話の内容を導き始めたのです。
 

彼女が話の中に完全に組み込まれた時点で、後にハナレイとなるキャラクターが私の頭の中で話し始め、この二人のキャラクター設定が進んでゆく段階で、彼女の特殊な能力に絡む、ある種のミステリー仕立ての展開が本格的に始まっていったのです。 

そして彼女を通じてエンパシックな能力のことや、恋人を失ったハナレイの過去や、ケビンの違灰、バーニング・マンなどの沢山のアイデアがやってきました。
 

COCOがハナレイを見た時に青いオーラが見え始めた部分は、まるでドライブのギアがガシリと入って超高速で走り出し、自動書記したかのように、深く考えることも、迷うこともなく流れるように息つく間も惜しんで一気に書き上げました。
 

それまでハナレイの設定も曖昧だったのですが、あのシーンのために彼は〝セルリアンブルーのオーラに赤い光りがフラッシュするHIVと生きる青年〟という背景に決まってしまったのです。
 

COCOとハナレイの基本的な設定は明確になりましたが、それから先の話しの筋も、山場もクライマックスもエンディングもないのは同じです。

小説もどきとして呼吸をし始めたことは明確にわかりましたが、最終的にどこへ辿り着くのかなど検討もついていませんでした。
 

自分の中にあったのは〝これから先どう進むのか?〟という興味だけです。
 

行き当たりばったりで書き始めたわけですから、それから先もなんとか進むだろうという変な信頼というか、漠然とした予感しかありませんでした。

小説家になりたいとか、小説を書きたいではなく、この三人の成り行きをもっと知りたいので、波に乗って辿り着く所まで書き進めてみようと思ったのです。
 

このようにカナリ曖昧に書き始めてしまった物語が手探り状態で前に進んでいくことができたのは、COCOに与えたサキックなギフトのお陰です。

彼女をサイキックではない普通の人間として描いていたら、この話しは全く別の進み方とエンディングになっていたでしょう。
 

COCOをサイキックとして描くという発想は青天の霹靂的に天から落ちてきたというのが正解で、その結果としてCOCOに自分のギフトを分け与えてしまいました。

性転換したいと思ってない私が彼女に近づくには、サイキックな能力を与えるのがベストな解決策だったとも言えます。
 

そして勢いでCOCOがハナレイの真っ青なオーラを目撃してしまう場面の下書きを終えた時に〝サイキックなトランスジェンダー〟という一風変わったキャラクターが誕生したのです。
 

そんな感じで作ってしまったのは良いけれど・・・。
 

サイキックな感覚は得意分野なのでリサーチも必要なく、迷いも懸念もありませんでした。

このジャンルであればいくらでも引き出せるし、アイデア的に苦労することはないと思えるほどです。
 

しかし性転換というテーマは別物でした。

初期段階では性転換の方向に話しを進めるのかどうかも定かではない状況で、それに関する内容を上手く書けるかどうか怪しいものでした。
 

これから先にも書きますが、小説の中で書かれている彼女のサイキック的な経験は私の実体験を元に脚色してあります。
 

彼女を自分と近づけさせるために、自分で最もよく解っているサイキック的な痛みを与えることで、もっと身近に感じられ、別次元で解るのではないかと思ったのです。

彼女の半身を借りることで、それまで自分が経験してきた〝サイキックという異端な世界+サイキック的な痛みの経験〟を〝性転換という異端な世界+性転換に伴う感情や肉体的な痛みの経験〟に重ねることが可能なのは明白でした。
 

サイキックと性転換という言葉尻だけでは全く違う互換性のない世界のように思えるかもしれませんが、それぞれの経験としては〝普通の人から掛け離れている〟という意味で同じような部分が多いと思います。

そんな部分を COCOというキャラクターを通じて同時に表現することができると思ったのです。

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